一般的なジュエリー制作方法のいろいろ
目次
制作別による商品としてのジュエリーのいろいろ
ジュエリーに限らず現在はSNSやネットショップの写真で見ていると国内・海外を問わず様々な商品があふれています。
洋服や靴と同じくジュエリーも「量産品」もあれば「1点もの」もあり、様々な制作方法によって作られたものがあります。
私の知っている情報でしかありませんが、いろいろなジュエリーの制作方法をご紹介したいと思います。(また情報があれば追加していきます)
量産品
ひとつの原型を作るためには多くの時間と技術が必要になります。原型を一つ制作した後にそのゴム型を作成し、ジュエリーが量産されます。
こういうゴム型を使って金やシルバーのジュエリーの大量生産が可能になります。
多くの量産品の場合は何個生産して何個販売しようという計画のもとでで制作されます。
(なので計上されている原型代の割合としては非常に少ないです)
- 量産品も国内で生産されたものや賃金の安い海外で生産されたものがあります。
- 同じデザインでの複製が可能となります。
- 石座は手作り、その他の部分(腕の部分とかペンダントならバチカンと言ってチェーンを通す部分)はゴム型を使う場合があったりとケースバイケースです。
また、ゴム型を使って作られたジュエリーもその後の研磨や石留は人の手によって完成させられるものですので、これも「手作りジュエリー」と呼んだりすることもあります。
1点ものジュエリー
上のようなゴム型を作成せず原型をそのまま仕上げたジュエリーです。
当ギーダリージュエリーのオーダージュエリー・ジュエリーリフォームでお作りさせていただくジュエリーの多くはこれにあたります。
世界に一つしかない唯一無二の1点ものです。
1点ものジュエリーとひとくちに言いましてもそれは様々です。
● 3Dキャドによるジュエリー制作
最近はジュエリーキャドでジュエリーの図を作り、専用3Dプリンターでジュエリーを生産する方法が多くなりました。
この方法は一つのデータを作ればデータは次にも応用でき、またデータからジュエリーの原型ができるまでにものの3日位で完成できます。生産効率が非常に良い方法です。
昨今はジュエリーにかかわらず、他の多くの製品でも3Dプリンターで制作できますね。
● 地金による1点ものジュエリー制作・・鍛造(鍛造ジュエリー)
金やプラチナ、銀の地金を溶かして、叩き成形、加工して指輪やネックレスをお作りする制作方法で「鍛造(たんぞう)仕上げ」と呼んだりします。
地金をしっかり叩いてお作りしているので、地金がしまって密度があるので強度があります。
それからひとつひとつの工程に職人の経験と勘が入ってきますので、一見写真での違いはわからなくても3Dプリンタージュエリーとは趣が全然違ったものになります。
人から聞いた話なのですが、
コンピューターで作られた形(例えば「円」)は当然きっちりと完璧すぎる形に制作され、それに対して人の手で作られたものは良い職人と言えどやはり完璧なきっちりとした形にはならないそうです。
ぱっと見ではわからないレベルの話ですが、
人間の心理として身につけるものを選ぶ時には、直観で完璧にきっちりとした形になっていない方を好む傾向があるそうです。
それが「手作りのあたたかみ」を感じる部分なのかもしれません。
● ワックスでのジュエリー制作・・鋳造(鋳造ジュエリー)
ワックスで原型をお作りし、それをジュエリーにいたします。鋳造(ちゅうぞう)仕上げと読みます。
CADでデザインのデータを制作してジュエリーを作るときも、データを3Dプリンターでワックス原型として出力いたします。
地金では作りにくい形状のものはワックスで制作できます。
ワックスでの原型作りは非常にちまちまとしていまして結構な時間を必要とします。
● 他、アートクレイなど
粘土状の地金を成形し、窯で焼いて作る方法があります。私はアートクレイは何回かトライしたことはありますが、あまり詳しくありません。
ジュエリーの制作方法は様々
上記のようにジュエリーの制作方法は様々で、制作の方法によってお値段も変わってくることもあるかと思います。
はっきり言ってネットでの写真とそのジュエリーの詳細(地金・石など)を画面で見ている分にはわからないです。
ワックス原型(3Dプリンタージュエリーもワックスになります)からのジュエリーの地金よりも
地金の強度は職人が地金を溶かし、叩いてお作りした地金のほうが強度があります。
(写真では同じように見えるのですが、地金がぐっとしまっているのです)
ネックレス・ピアスに関しましてはジュエリーに負荷があまりかかりませんので問題はございませんが、
普段使いの指輪の場合、(特に細めのもの)指は本当に多くの仕事を日々していますので地金を叩いてお作りする指輪をおすすめしています。シンプルなデザインとなってしまいますが。
CADは手作りではできないような細かい表現も可能です。
どの手法がよいか良い・悪いではなく、ケースバイケースとなります。